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2026-08-15 diary: 奏者の耳に優しいビオラをオーダーメイド製作で実現するということ

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奏者の耳に優しいビオラをオーダーメイド製作で実現するということ

前日のバイオリン Rina#1に続き、今回はビオラ Rina#2の話です。

バイオリンをオーダーメイドで製作してもらったあと、その成功体験に味を占めて、ビオラもオーダーメイドで製作してもらいました。目的はバイオリンと同じく、演奏する私の耳や首への負担が少ない楽器が欲しかったからです。

Rina#2のオーダーメイドには、体に優しいこと以外にもいくつもの目的がありました。ただ、この日記では耳や首への優しさに関わることだけに絞って書きます。

バイオリンから継承した設計

前日の日記で触れた、ブロックを大きめにし、板厚の分布を調整するという設計は、ビオラでも継承しました。

それまで使っていたビオラは、爆音を出せる楽器でした。しかしビオラの場合、奏者の耳元で聞こえる音量に加えて、楽器の振動が首に直撃します。これは私にとって負担が大きく、頭痛などの問題にもつながっていました。あと周辺の音が聞こえづらくなりがちでした。バイオリンやビオラは肩に載せて演奏する楽器である以上、奏者の耳元で音が鳴ること自体は宿命です。だからこそ、演奏する本人の耳に大きく聞こえることと、客席へ十分に音が届くことは、必ずしも同じではありません。長く演奏を続けるためには、楽器そのものの音量だけでなく、奏者がどのように音を受け取るかも重要だと考えています。

既製品としては流通しづらい

前日のオーダーメイド・バイオリン Rina#1についての日記でも書いたように、こうしたビオラは、楽器店での短い試奏では価値が伝わりにくく、既製品としては流通しづらいのだと思います。店頭では、すぐに「よく鳴る」と感じられることが評価されやすい一方で、長く演奏したときに分かる耳や首への負担の少なさは、なかなか伝わらないものだと理解しています。

しかし、長く演奏を続ける立場では、耳や首への負担が少ないことにも大きな価値があります。その点まで含めて設計できることが、私にとってオーダーメイドの大切なところです。

構えたときの負担も設計条件にする

ビオラは、演奏中に構えて持ち続ける楽器です。そのため、音の聞こえ方だけでなく、構えたときの身体への負担も無視できません。ビオラはサイズが大きくなるほど、構えたときの身体への負担も増えがちです。体格や構え方によって違いはありますが、私の場合は特に無視できない条件でした。

今回のビオラでは、リブを低めにしてもらいました。リブ高のほんの小さな違いで、私が演奏したときの負担がかなり変わるのです。リブを低くしたことによる影響を考慮し、アーチを増やして全体のバランスを取る設計にしてもらいました。

年齢を重ねても弾き続けられる大きさ

このビオラは、16インチにしました。年齢を重ねても弾き続けられる大きさを意識した選択です。

リブを低めにして首などへの負担を軽くし、アーチを高めて設計上のバランスを取る。そして、楽器本体の大きさも16インチにする。いずれも、短期間の弾きやすさだけではなく、これから先も演奏を続けられることを考えた工夫です。

近傍とコンサートホールで音色が大きく変わらない

私が近傍と中規模のコンサートホールで聞いた範囲では、このビオラは似通った音色が出ています。

楽器の音は、聞く距離や空間によって変化します。そのなかで、近くで感じる音色の性格と、ホールで聞こえる音色の性格とが大きくずれないことは、私にとってとても嬉しい点です。

Rina#1より短めに見込んだエイジング

Rina#1では、完成後、実用的な鳴りになるまでにかなり長い時間がかかりました。その初期段階に時間をかけすぎたかもしれない、という反省もありました。

そのためRina#2では、奏者の耳や首に優しい性質を保ちながらも、Rina#1より短い期間で実用的な鳴りに育つことを見込んで設計してもらいました。その一環として、裏板には一枚板を選びました。これは、Rina#1の経験を踏まえ、早い段階から演奏に使える状態に近づくことを期待した選択の一つです。もちろん、一枚板だけで決まる話ではなく、ほかの設計要素も関係します。

完成から一年ほどが経った今、Rina#2はかなり実用的な鳴りになってきています。これも私にとって、望外の喜びです。

おわりに

Rina#2では、耳元の音量と首に伝わる振動による負担を少なくし、長く演奏を続けられるよう、リブ高、アーチ、16インチという大きさ、裏板の選択まで含めて考えてもらいました。私が近傍と中規模のコンサートホールで聞いた範囲では、響きの印象も大きく変わらず、身体への優しさとの両立は望外にうまくいきました。

私の妄想上の理想のビオラが手に入りました。あるいは、当初の妄想以上です。すごく大切に扱いたいと思います。こんなにも私好みのすごい楽器を製作していただいた荒木バイオリン工房に、感謝です。

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Last modified: $Date: 2026-08-15 $


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